10, 道産小麦(2004/12/27)

当店の庭に訪れたキツツキ


年の瀬も押し迫り、皆様慌ただしい日々をお過ごしのことと思います。当店のスタッフにとっても、あっという間に過ぎた一年となりました。とくに開業してから毎日毎日たくさんの刺激があり、よりいっそう時が早く過ぎたように思われます。

開店から3ヶ月が経ち、その間多くのお客様にお越しいただき、充実した年越しを迎えられそうです。本当に皆様ありがとうございます。

さて、前回予告した道産小麦についてのご紹介を始めます。当店では、 江別製粉から仕入れている「北もみじ」という品を使っております。江別製粉は、北海道ではちょっと有名な老舗の製粉会社で、道産の小麦をたくさん扱っている実績があります。
この「北もみじ」は、「チホク小麦」と「ホクシン小麦」(こちらから小麦の写真をご覧になれます:小麦図鑑)という銘柄がブレンドされた粉で、うどん作りに最適でしなやかなコシと粉の旨みが出ます。輸入の小麦で打ったうどんより、黄色みがかったうどんになるのですが、それもこの粉の特徴としてあげられます。

うどんに適した小麦は中力粉という粘りが中程度の品種が使われます。「チホク小麦」と「ホクシン小麦」も中力粉の品種です。もともとうどん粉としては「チホク小麦」が有名でしたが、「ホクシン小麦」はその改良種ということで、収量が多く病気への抵抗性が高いことから、近年作付け面積が増えてきているようです(「ホクシン小麦」の特徴)。病気への抵抗性が高いことから農薬を減らすことが可能で、生産コストも抑えられるようになったそうです。

現在日本のうどんを支えているのは、前回お伝えしたオーストラリア産のASWが主力です。これは粉の白さや、ゆでた後、麺が伸びにくいと言う特徴があり重宝されています。当店では注文を受けてからめんをゆでているので、麺が伸びることを心配する必要がなく、国産小麦の茹でたてのコシと小麦の旨みといいますか、粉自身の香りも感じていただけるのではと思います。当店のうどんを召し上がっていただければ、道産の小麦がうどんに適した品種であることをご理解いただけるのでは、と期待しております。

次回は、うどんを打つときに使用している「水」についてのこだわりをご紹介します。ご期待ください。それでは皆さまよいお年を!!

前へ   簾舞便りトップに戻る   次へ